久しぶりに日本橋へ行ってきた。大阪の日本橋は、東京の秋葉原に並ぶ電気街として有名だ。かつては家電やオーディオ、電子パーツなどを扱うショップが立ち並び、まさに「電気屋街」と呼ぶに相応しい場所だった。私が大学生だった30年前にも、バイトで稼いだお金を握りしめ、オーディオコンポを買いに行ったものだ。
しかしここ数十年で、日本橋は大きく変化してきた。Windows 95に代表される90年代のインターネットブームの時代にはパソコンの街へと変わり、現在はアニメグッズの専門店やメイドカフェが立ち並ぶヲタクの街となっている。日本のヲタク文化が海外でも人気なこともあって、海外からの旅行者の姿も多い。
ヲタク向けとしては、フィギュアやグッズを扱うショップが多く、美少女系、キャラ系、アニメ系、特撮系とカテゴリーが細分化されている。トレーディングカードを扱うショップも増え、「ポケカ」に代表される希少なカードは高額で取引されている。
そんな日本橋の現状を眺めていると、ふと気がつくのが中古品を扱うショップの多さだ。フィギュアもグッズも、未開封の新品であっても新古品(中古)として販売されていることが多く、メーカーから直接仕入れた純粋な「新品」を扱うショップは少なく感じる。
PCやスマホなど、新品を扱うショップも一部にはあるものの、やはりメインは中古品の販売や買い取りだ。実のところ私も、今回は不要になったモバイルルーターを買い取ってもらうために日本橋を訪れた。私自身、新品を買うのはネットがほとんどで、日本橋に足を運ぶのは買い取り目的ばかりになっている。新品を扱うショップが激減するのも納得の状況で、今の日本橋は「中古の街」と言えなくもない。
そしてもう一つ気付くのは、大小を問わずフィギュアやぬいぐるみなど、広い意味での「人形」を扱うショップが多いことだ。街全体にあるそれらの総数は、およそ数十万から数百万体にも及ぶのではないだろうか。その視点から見ると、日本橋は「人形の街」になったとも言える。
大阪で人形の街といえば、雛人形や五月人形を扱っている松屋町が有名だ。しかし、近年はそうした専門店も減って、街全体で販売されている人形の数で比べれば、日本橋の方が圧倒的だろう。いつの間にか、日本橋は「シン・人形の街」となっていた。
